事業再構築ビジネスプラン
事業取組事例紹介事業取組事例紹介

コロナでの転換 昭和の賑わいを取り戻せ!
~衣料品店とホテルの融合~

清水町
プラウリテール株式会社

清水町
プラウリテール株式会社

■企業情報

プラウリテール株式会社は、1935年に「マルシチ星野呉服店」として十勝清水駅前で創業し、1963年に婦人物の仕立服を中心に扱う「装いの店(マルシチ)ほしの」へ商号変更。1999年にアパレルメーカーの販売代行を主業務として法人化し、2010年に現在の「プラウリテール株式会社」へと社名を改めた。 

現在、同社の代表取締役社長を務めるのは星野 啓二 氏。星野社長は幼少期から野球に打ち込み、札幌の強豪校で活躍。大学卒業後、地元帯広市の百貨店に就職し、大手メーカーとの取引や販売など5年半勤務した後、家業に戻った。

fashion HOSHINO本店
プラウクラス

■コロナ禍の影響と宿泊業への参入

清水町の本店を含めて最大10店舗を運営するなど、順調だったアパレル事業であったが、ネット通販の台頭など時代の流れとともに売上が減少。好調な店舗の一方で赤字の店舗もあったことから、規模縮小を余儀なくされたところをコロナ過が襲い、さらに売上が激減した。

従業員の賃金を確保するために様々な取り組みを検討していたところ、星野社長が以前から構想を持っていた宿泊業への参入を決意。これは、町内最大の宿泊施設であった「札幌屋」の廃業により失われた賑わいを取り戻したいという、星野社長の強い想いからスタートしたものである。

■十勝清水の駅前「宿」plough class プラウクラスの開業

宿泊業への参入については事業再構築補助金を活用することとし、清水町商工会の伊藤経営指導員による伴走支援並びに、青年部時代の仲間であり同補助金の先駆者でもある、本別町の「コヤラボ」岡崎社長、「ホテル和さび」の池田社長からのアドバイスを受けた。

事業再構築補助金の事業計画策定においては、異業種参入による本業との相乗効果を意識し、アパレルと宿泊を掛け合わせた取り組みを検討。宿泊客向けの礼服フォーマルのレンタルや、宿泊施設で使用しているスリッパなどの備品の販売などを盛り込み、無事、補助金の採択を受け、2022年12月、十勝清水駅前に3棟のコテージ「プラウクラス」を開業した。

プラウクラス外観
プラウクラスリビング
プラウクラス備品

■プラウリテール株式会社の今後の展望

プラウリテール株式会社では、将来的に3棟あるコテージの内装をコンセプトごとに変えるほか、リビングの一角を自社衣料品を展示するギャラリーへ改装予定。また、星野社長の趣味である「クルマ」を活かした、プレミアム旧車を展示する民泊施設の開業を2025年春に控えている。

これらの取り組みは、星野社長の心の中に残る昭和のころのまちの賑わいを、町民や町民以外のニーズを引き込むことで取り戻し、清水町の地域活性化に貢献したいという強い想いによるものである。